概要
ギザの最も南寄りにある第3ピラミッド。
カフラー王の息子で、王位を継いだメンカウラー王が築いたとされるピラミッドで、ギザの三大ピラミッドの中では一番小さい。
しかし、小規模ながら美しい真正ピラミッドのシルエットを保っており、ピラミッドの南にある3基の衛生ピラミッドも、比較的原型をとどめている。
悲劇
1837年、第3ピラミッドはある悲劇に見舞われた。
その年、ギザで数々の発見をしたイギリス陸軍大佐のリチャード・ハワード・ヴァイスが、第3ピラミッドの入口を探り当てて中に入ったところ、玄室の内部に玄武岩製の石棺と、王の遺体の一部と思われるミイラを発見した。
それまで、ピラミッド内で王のミイラが発見された前例はなかったため、その後のピラミッド研究に大いに役立つ世紀の大発見であった。
ミイラを含めた出土品は、調査のために大英博物館へ運ぶことになった。
ヴァイスは協力者たちとともに石棺や出土物を持ち出し、船に積み込んだが、不運なことに途中で嵐に遭遇し、輸送船は積荷もろとも地中海に沈んでしまったのだ。
この事故によって、第3ピラミッドの謎を解明する手がかりは永遠に失われてしまったのである。