概要
カイロの南約78キロメートルに位置するメイドゥム。
その砂漠の中にぽつんと1基だけ存在するのがこの崩れピラミッドだ。
その形状は、階段状から正四角錘の真正ピラミッドへと変化する過渡的なものと考えられており、当初は7段の階段ピラミッドとして設計されたものが、のちに8段に変更され、最終的に史上初の真正ピラミッドになったという。
構造はフニ王が着工し、息子のスネフェル王が受け継いだとされるが、最初からスネフェル王が計画したという説もある。
現在みられる3段の塔のような形状は、真正ピラミッドとして建造したものの、何らかの原因で外壁が崩壊し、核となる部分が残ったものと見られている。
しかし、露出している塔部分の壁面が研磨されていること、崩れて積もったにしては周囲のがれきが不自然に細かいことなどから、単純な崩壊と見るには疑問が残る。
また、崩壊の原因についても、設計された勾配が急すぎた、土台部分に問題があったなど、さまざまな理由が考えられている。
後代に岩壁が石材として持ち去られた結果、現在の形になっという考えもあるが、それも先の疑問を説明するには十分ではない。
謎の多いピラミッドである。